ご挨拶

横浜市港北区医師会 会長 鈴木悦朗
(日横クリニック 院長)

会長 鈴木悦朗

一般社団横浜市港北区医師会 会長 鈴木悦朗

港北区民の皆様。港北区医師会会長の鈴木悦朗(よしろう)です。地域医師会の役割は、区民の皆様の命と健康を守ることです。港北区医師会は、新型コロナウイルス感染症に対して、ドライブスルーPCR検査所や、休日急患診療所、会員医療機関で発熱外来を行うことでコロナ難民を出さないように取り組んできました。また、重症化を予防するため、ワクチンの集団接種に出動したり、会員医療機関で個別接種を行うなどして区民の命と健康を守る活動を行ってきました。新型コロナウイルスは2023年5月8日をもってインフルエンザと同じ5類感染症に移行しました。今回の新型コロナウイルス感染症は数多くの教訓を我々に残しました。今後新しい感染症が流行した場合は、この教訓を生かして医師会として対応していきます。

感染症パンデミックと並んで対策が必要なのが、大地震のような大規模災害です。地震大国日本は、いつ大規模地震に見舞われてもおかしくありません。向こう30年間に横浜市で震度6弱以上の大地震が生じる確率は82%もあると言われています。港北区医師会では、災害拠点病院である横浜労災病院、災害時救急病院、歯科医師会、薬剤師会、Yナース(横浜市災害支援ナース)、港北区訪問看護ステーション連絡会、横浜市アマチュア無線非常通信協力会、警察署、消防署、区役所などと連携して災害対策に取り組んでいます。大規模災害時には、私たちも被災者になりますが、区民の皆様の命と健康を守る事が出来るように年間を通して訓練を行っています。

平時は、港北区休日急患診療所(内科・小児科)を運営し、区民の皆様が休日にかかった病気で困らないように対応しています。その他、予防医学分野では、乳幼児健診・特定健診・横浜市基本健診・各種がん検診を行い、病気の早期発見に貢献しています。保育園医、小・中学校の校医活動を通じて、保育園児や児童、生徒の健康を守る活動を行っています。在宅医療介護福祉の分野では、訪問看護ステーション、在宅医療相談室を運営して区民の皆様の在宅療養をサポートしています。

2025年は、団塊の世代がすべて後期高齢者(75歳以上)になる年です。後期高齢者になると要介護の割合が急激に増加します。国は、2025年までに、地域包括ケアシステムを築いて、高齢になって重度な要介護状態になっても、住み慣れた地域で過ごせる環境を作ろうとしています。港北区では、2012年12月に港北区高齢者支援ネットワークを立ち上げました。医師会、歯科医師会、薬剤師会、訪問看護ステーション、ケアマネジャー、地域包括支援センター、行政など多職種で構成する会です。この会では、認知症、人生の最終段階の過ごし方、嚥下障害、薬についてなどをテーマに年に3回の研修会を開催し医療と介護の連携を深めてきました。2017年からは、寸劇などを通じて在宅医療について区民の皆様の理解を深めてもらう区民公開講座を開催しています。プロジェクトチームの事前指示書の会では、最期まで在宅で過ごすための要因を研究し、第28回日本在宅医療学会学術集団会、第5回日本在宅医療連合学会大会で発表するなど、多職種で取り組んできました。現在は、認知症のいろいろな症状に対して、どう対処するのか、多職種の経験を基に、港北区版認知症対応ガイドを作成するプロジェクトチームが活動しています。港北区医師会は、地域包括ケアシステム構築に向けて活動して参ります。

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