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◯ ご挨拶

富田 克利

港北区高齢者支援ネットワーク
認知症対応ガイド検討委員会 委員長
富田 克利
(看護小規模多機能のぞみ 管理者)

私は、港北区で認知症の方々の支援を始めて24年になります。その間、認知症の方々への支援内容も大きく変わって参りました。支援を始めた当初は、BPSDだけを問題にし、その対応に悩み、その場を乗り切るための対処で精一杯だったと記憶しています。
BPSDは、認知症を患うことによる周辺的な症状で、徘徊・怒りっぽい・妄想・意欲低下・拒否・暴言といった症状がみられます。現在はそうしたBPSDについて問題視をするのではなく、認知症のある方を感情豊かな一人の大人であると受けとめ、その理解がすすんでいます。さらに、支援の体制や考え方として、専門職だけでなく地域ぐるみへと活動の場も広がり、その人らしく安心した生活を送るための支援へと変化しています。
しかし、現状はどうでしょうか?認知症の方々への支援がその人の人格を尊重したものになっているのでしょうか?残念ながら、安全の為の施錠や隔離、その場しのぎの対応、不適切な声かけなど、日々の生活の中で対応しきれない状況が見受けられています。認知症ケアにかかわっている方々からは、「知識はあってもどのように対応して良いのか、具体例がわからない。」「良いと思って行ったケアが逆に本人を苦しめているのではないか」、そんな戸惑いや不安の声を耳にすることも珍しいことではありません。
そのような時に、「さっと見られるガイドがあれば・・・」「参考にできる事例集があれば、日々の支援に役立てられるのではないか?」との願いから、今回の「認知症対応ガイド」を作成することとなりました。
人にはそれぞれの生活背景があり、それを知り得るのはかかわりを持った私たちです。

認知症をあきらめないで!

その人らしく生きるために、私たちが正しい知識を理解し、認知症の方と関わるその一瞬一瞬を大切な時間として支援に取り組めるように、このガイドを活用して頂けると幸いです。

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