▼事例提供者
訪問看護ステーション
▼背景や生活状況、病状など
独居。10日間程度のショートステイを月に1~2回利用しながら、デイサービスやヘルパー、訪問看護を利用し生活している。受診時の介助やショートステイの準備は、区内に住む娘が行っている。
▼症状・BPSDに対して行った支援
訪問看護は定時以外にショートステイの帰宅日に訪問をした。内服薬はお薬カレンダーやデイサービスのバッグの中に準備し、本人にも見て確認してもらうようにした。薬はヘルパー又はデイサービスにて介助で飲んでもらった。
▼結果(その後のご本人、介護者の状態)
ショートステイから帰ってきた日に訪問することで、薬に対する混乱がなくなり落ち着いて生活することができた。
▼事例提供者
居宅介護支援事業所
ケアマネジャー
▼背景や生活状況、病状など
高齢者専用マンションで独居である。アルツハイマー型認知症と診断されている。
▼症状・BPSDに対して行った支援
デイサービスから帰宅後の不安を解消する為に、ヘルパーによる迎え入れを行った。自宅内に食べ物がないと落ち着かなくなる為、室内の数か所に軽食やおやつを常時用意した。
▼結果(その後のご本人、介護者の状態)
ヘルパーの迎え入れや、いつでも軽食やおやつを食べられるように準備することでマンションから出ていかなくなった。
▼事例提供者
訪問看護ステーション
理学療法士
▼背景や生活状況、病状など
娘と同居している。娘は就労しているため、日中は独居である。体力向上目的でリハビリを実施している。記憶力低下と不安症状が著明である。
▼症状・BPSDに対して行った支援
本人が不安になりやすい時間帯にリハビリを導入し、ストレッチや体操をしながら趣味の話や娘の話を傾聴した。
オペラ鑑賞が好きなため、日中にオペラの音楽を聴けるように娘に準備をしてもらった。
訪問時の様子をノートに記載し、家族と多職種(看護師・ケアマネジャー)で共有をした。
▼結果(その後のご本人、介護者の状態)
訪問直後は表情が硬いが、話や体操をする中で表情もほぐれ落ち着いて過ごせることが多くなった。独居の時間帯も自分で音楽を聴き、落ち着いて過ごせることが増えた。漠然とした不安や被害妄想的な発言もあったが、ノートによって事実確認ができ、チームとして関わることができた。娘からは「様子が分かって安心できました」「リハビリの日は、晩ご飯を作って待っていてくれることもあった」との言葉が聞かれた。
▼事例提供者
看護師
▼背景や生活状況、病状など
夫と2人暮らし。夫は仕事や用事で外出することがある。
▼症状・BPSDに対して行った支援
ホワイトボードを利用し、日付と時間、どこへ出かけたかを記載した。
▼結果(その後のご本人、介護者の状態)
見ることで思い出し、安心感が得られた。不安の軽減につながった。
▼事例提供者
居宅介護支援事業所
ケアマネジャー
▼背景や生活状況、病状など
本人と夫、娘と3人家族である。マンションの3階(エレベーターなし)で生活している。娘は日中就労しているため、夫が対応している。夫は膝痛・腰痛を抱えており、長時間の立位は困難である。食事作りなど家事全般は娘が行っている。家族関係は良好。
▼症状・BPSDに対して行った支援
活動量を増やすために、「認知症対応型通所介護」の利用を開始した。(週3日)
▼結果(その後のご本人、介護者の状態)
週3日デイサービスを利用することで、活動量が増え、夕方外に出ることがなくなった。夫のレスパイトにもなっている。
▼事例提供者
小規模多機能型居宅介護
介護職
▼背景や生活状況、病状など
娘と2人暮らし。娘は就労されているため週5日デイサービス利用(夕食を食べて帰宅)。また、月1~2日宿泊を利用している。
▼症状・BPSDに対して行った支援
傾聴し、夕食時間や帰宅時間を伝えると納得し落ち着くが、幾度も話すときもある。本人が苦手とする相手に対して距離を取ろうとしていた結果、帰宅願望につながっていることも分かったため、座席位置の工夫をした。
▼結果(その後のご本人、介護者の状態)
帰宅願望もなくなり、落ち着いて過ごせる時が増えてきた。また、笑顔も沢山みられるようになった。
▼事例提供者
小規模多機能型居宅介護
介護職
▼背景や生活状況、病状など
独居であるが、息子が朝食、夕食の準備をしてくれる。認知症以外の病気はない。
▼症状・BPSDに対して行った支援
夕方になると「息子が家で待っているから帰りたい」と話す。男性スタッフを見て「息子がいた」と言う事がよくある。息子と認識されたスタッフは、息子であるという内容は肯定も否定もせず、「今宿題をしているから、終わったら一緒に帰ろう」などと声掛けし、なるべくゆっくりと本人が落ち着けるよう振舞っている。
▼結果(その後のご本人、介護者の状態)
息子と認識されたスタッフに「私も一緒に手伝うから宿題終わらせて早く帰りましょう」と話しながら、スタッフのそばで落ち着いて座っている。
▼事例提供者
グループホーム
介護職
▼背景や生活状況、病状など
独居。転倒による骨折のため入院。その後、老人保健施設を経てグループホームに入居。夫は死別し、娘がキーパーソンである。本人は何でここにいなければならないか理解できていない。1人でも生活できると思っている。
▼症状・BPSDに対して行った支援
安心してもらえるような声の調子で「家族の方は病気ではない」「亡くなってはいない」と話をした。
それでも本人が納得できない時は、家族に電話をし、直接話をしてもらった。
▼結果(その後のご本人、介護者の状態)
本人は、家族と話をすることで落ち着くことができた。夜間帯は家族が対応はできないため、「明日、管理者が来たら対応する」と返事をする事で、納得し落ち着いている。
▼事例提供者
グループホーム
介護職
▼背景や生活状況、病状など
独居。認知症のため服薬管理ができなくなり自己中断している。デイサービス週2回、訪問介護週10回利用。デイサービス以外はほとんど家で寝て過ごしている。
▼症状・BPSDに対して行った支援
「気をつけてお帰りください」と否定せず見守り、レクリエーションに誘導したり、「この作業が終わったら帰りましょう」と声をかけたりして帰宅への気持ちを紛らわせるようにした。しばらくは落ち着くが、1日のうちに何度かは同じことの繰り返しが続いたのでスタッフはその時の状況に応じて声掛けの内容を変え、対応した。
▼結果(その後のご本人、介護者の状態)
デイサービスを利用されて半年程経ち、以前よりは落ち着かなくなる回数が減った。
▼事例提供者
デイサービス
介護職
▼背景や生活状況、病状など
まわりの人に気を遣って、スタイルや顔をほめたり、食べ終わった食器を自分で片付けをしようとする。テレビを見る場所も他の人が後に居ると後ろに移動する。
▼症状・BPSDに対して行った支援
気持ちをリセットするために、テレビで好きな歌番組を流したり、知っている歌を一緒に歌ったりして、楽しさを共有した。
▼結果(その後のご本人、介護者の状態)
本人が知っている歌が流れると一緒に歌って穏やかな表情になり、デイサービスで過ごせるようになった。
▼事例提供者
小規模多機能型居宅介護
介護職
▼背景や生活状況、病状など
以前は杖歩行であったが、現在は使用せず、比較的安定している。朝食は自宅で、昼・夕食は施設で食べている。
▼症状・BPSDに対して行った支援
「お子さんはお仕事へ行かれているので、こちらで過ごしてお夕飯を召し上がって帰るとお子さんも安心しますよ」と伝えた。
▼結果(その後のご本人、介護者の状態)
理由を聞いて「そうね」と安心して席に戻った。
▼事例提供者
小規模多機能型居宅介護
ケアマネジャー
▼背景や生活状況、病状など
独居であるが、日中は自宅が息子さんの仕事場となっている。週に5日のデイサービスを利用している。
▼症状・BPSDに対して行った支援
ソファに一緒に座り、手をつなぎながら子どもの事や両親の事を本人が話すのを傾聴した。話は次々に変わっていき、時には話す内容が理解できないことがあっても、相槌を打ちながら傾聴した。
▼結果(その後のご本人、介護者の状態)
傾聴していると、本人は次第に落ち着き、そのまま寝てしまうこともあった。
▼事例提供者
グループホーム
介護職
▼背景や生活状況、病状など
自分の事は自分ででき、スタッフの手伝いもしてくれる。穏やかに日々過ごしているが、帰宅願望や被害妄想が出ることがある。
▼症状・BPSDに対して行った支援
「もう帰ります」と言うような発言には「そういえば桜がキレイでした。お花見にはよく行かれました?」などと、あえて全く違う話題に話を持っていくことで、気分の転換を図った。
▼結果(その後のご本人、介護者の状態)
話しかけによる気分転換により、暗い表情が笑顔になった。
▼事例提供者
デイサービス
介護職
▼背景や生活状況、病状など
孫夫婦が主介護者となり、一緒に生活をしている。
▼症状・BPSDに対して行った支援
隣に座って、まず何時に帰るのかを伝えた後に、本人の訴えを聴きながら話を広げて昔話などをした。
▼結果(その後のご本人、介護者の状態)
話をすることで安心し、帰る頃には「ありがとうね」という言葉が聞かれた。
▼事例提供者
デイサービス
介護職
▼背景や生活状況、病状など
夫と2人暮らし。夫が妻の介護をするのは難しい状況である。昔、洋裁が得意だった。
▼症状・BPSDに対して行った支援
まず、じっくり話を聞き、タイミングを見計らって、服の話や孫の話へと徐々に話題を変えていった。
▼結果(その後のご本人、介護者の状態)
しばらく話をすすめていくと笑顔が見られ、落ち着いてきて、他の利用者と談笑したり、スムーズに入浴できるようになった。
▼事例提供者
介護老人保健施設
介護職
▼背景や生活状況、病状など
夫婦2人暮らし。ピックアップ(四点歩行器)にて歩行が可能である。デイサービス(週3日)を利用している。昼食後から帰宅願望あり。
▼症状・BPSDに対して行った支援
玄関近くに椅子を置き「今、バスの準備をしているから、運転手さんが来るまで、一緒に帰りの体操をして待ちましょう」と伝え、スタッフが一緒に座り帰宅まで話をしたり、話題を変えたりした。
▼結果(その後のご本人、介護者の状態)
帰宅願望は落ち着いた。
▼事例提供者
小規模多機能型居宅介護
介護職
▼背景や生活状況、病状など
1人暮らし。デイサービスへは息子さんが送迎している。
▼症状・BPSDに対して行った支援
落ち着かない様子でフロアを行ったり来たりする時は、隣に座り話をするようにした。
▼結果(その後のご本人、介護者の状態)
担当のスタッフを決めて話しかけたり、隣に座って話をすると落ち着いた。
▼事例提供者
小規模多機能型居宅介護
ケアマネジャー
▼背景や生活状況、病状など
息子と2人暮らし。息子は、仕事のため帰宅が遅い。認知症状があり、1人では日常生活が成り立たない。
▼症状・BPSDに対して行った支援
毎回同じ職員が、本人の落ち着く場所へ一緒に行き、15分ほど側にいるようにした。
▼結果(その後のご本人、介護者の状態)
本人の安心できる場所でしばらく付き添っていると落ち着いてくる。
▼事例提供者
グループホーム
介護職
▼背景や生活状況、病状など
前頭側頭型認知症と診断された当初は、介護拒否や暴力・暴言があった。その後、落ち着きグループホームへ入居となる。
▼症状・BPSDに対して行った支援
外出しようとするタイミングで、散歩に誘った。間食を用意した。
▼結果(その後のご本人、介護者の状態)
はじめは散歩をしても、その直後でも外出しようする事があった。散歩に付き添い始めて3カ月目頃から、グループホームの生活に馴染み、外出しようとすることが無くなった。
▼事例提供者
グループホーム
介護職
▼背景や生活状況、病状など
グループホーム入居中。アルツハイマー型認知症があるが、基本的に自立しており自室内で過ごすことが多い。
▼症状・BPSDに対して行った支援
冬服を元の場所に戻した。
冬物を着て汗をかいているのも心配だったが、本人の気持ちを配慮しエアコンの調整や水分を多めに取ってもらうようにした。
▼結果(その後のご本人、介護者の状態)
今まで通り、自室で落ち着いて過ごせるようになった。
▼事例提供者
グループホーム
介護職
▼背景や生活状況、病状など
自室で1人で過ごすことが多い。ほとんどのことは自分で出来る。
▼症状・BPSDに対して行った支援
洋服をハンガーラックに半分ぐらい戻し、元の環境に近づけた。
▼結果(その後のご本人、介護者の状態)
本人は、タンスに物を隠すことがなくなり、落ち着いた。
▼事例提供者
居宅介護支援事業所
ケアマネジャー
▼背景や生活状況、病状など
施設入所中の90歳代の方。毎週、施設に娘が訪問し世話をしているが寂しいと訴える。
▼症状・BPSDに対して行った支援
集団活動にこだわらず、個別対応を重視してリラックスしてもらえるように、足浴をしながら本人の気持ちを傾聴するようにした。
▼結果(その後のご本人、介護者の状態)
足浴は気に入っており、その時間は穏やかな時間を過ごしている。
▼事例提供者
訪問看護ステーション
看護師
▼背景や生活状況、病状など
夫のサポートもあり、生活面においては大きな支障なく過ごしている。短期記憶障害は著明である。
▼症状・BPSDに対して行った支援
話を傾聴するようにした。口腔体操や足浴をしたり、一緒に合唱したりしながらコミュニケーションを取った。
▼結果(その後のご本人、介護者の状態)
数か月後には、馴染みの関係ができ大人数のデイサービスでも表情が明るくなった。
▼事例提供者
居宅介護支援事業所
ケアマネジャー
▼背景や生活状況、病状など
娘と2人暮らし。一日に何度も娘や訪問看護ステーションに不安を訴える電話がある。曜日・時間・季節が正確に答えられない時がある。
▼症状・BPSDに対して行った支援
生活リズムの改善と日中は他者との交流が図れるように、デイサービスを勧めた。デイサービスの職員が訪問し、安心してもらえるように関わった。
▼結果(その後のご本人、介護者の状態)
顔なじみの職員がいることで、レクリエーションを楽しめるようになった。最初のうちは緊張から食事量も少なかったが、1か月後くらいからはほぼ全量摂取できており、日常生活の安定化を図ることができた。
▼事例提供者
特別養護老人ホーム
介護職
▼背景や生活状況、病状など
特別養護老人ホーム入所中。食事をすぐ食べられる状態まで用意すれば、自身で食べることが出来る。
▼症状・BPSDに対して行った支援
同じことを繰り返し話す時には、終始穏やかな口調で対応した。
また、歩き出そうとする時には、話をしながら、車椅子で院内フロアを移動しながら気分転換を図った。
▼結果(その後のご本人、介護者の状態)
立ち上がることや転倒することなく、受診は滞りなく実施できた。
▼事例提供者
グループホーム
介護職
▼背景や生活状況、病状など
忘れることに対する不安のため暗い表情になる。
▼症状・BPSDに対して行った支援
「忘れるという事は年齢相応なことで私も忘れるし、今と明日を楽しみましょうよ。明日天気が良かったらお出かけしましょうよ」と声掛けをした。
▼結果(その後のご本人、介護者の状態)
本人より「あー安心しました。いくら考えても想い出せなくて…でもこれですっきりしました」という言葉が聞かれた。
▼事例提供者
居宅介護支援事業所
ケアマネジャー
▼背景や生活状況、病状など
サービス付高齢者住宅で独居。
▼症状・BPSDに対して行った支援
ゆっくり時間をかけて説明を行った。また、施設の職員が、その都度安心できるように説明をした。
▼結果(その後のご本人、介護者の状態)
説明後は「分かったわ」と言って安心した。
▼事例提供者
居宅介護支援事業所
ケアマネジャー
▼背景や生活状況、病状など
独居。
▼症状・BPSDに対して行った支援
不明になっている物は一緒に探した。
▼結果(その後のご本人、介護者の状態)
本人は、一緒に行うことで探し物が見つかり安心した。