一般社団法人

横浜市港北区医師会

自発性低下・うつ

家族に支援方法を伝えたケース

▼事例提供者
居宅介護支援事業所

▼背景や生活状況、病状など
夫と2人暮らし。週2回のデイサービスに通う以外は、自宅のコタツで寝ていることが多い。衣類の交換ができていないが、自分で何でもできていると介助を拒否する。「薬に毒が入っている」と言って服薬しないため、血圧が不安定である。

▼症状・BPSDに対して行った支援
家族と話し合った結果、家族が自宅の清掃を行い、生活スペースを確保するようにした。

▼結果(その後のご本人、介護者の状態)
浴室を清掃後、本人がお湯をためてお風呂に入った。夫も妻の面倒をみたり、子どもたちが継続してサポートをしている。

傾聴と対応を工夫したケース

▼事例提供者
訪問看護ステーション 理学療法士

▼背景や生活状況、病状など
昔のことはかなり詳細に記憶しているが、短期記憶が著しく低下している。自らも短期記憶の低下について自覚があり、そのためにうつ的症状がみられる。

▼症状・BPSDに対して行った支援
日付はカレンダーを見る習慣が身につくように声掛けを行っていった。本人ができたことは一緒に喜び、家族の思いについては傾聴に努めた。日中寝てしまうことに対して、デイサービスを増やした。

▼結果(その後のご本人、介護者の状態)
カレンダーを見る習慣がついたことで本人が忘れてしまうことが減り、家族も言いすぎてしまうことが少なくなった。
▼事例提供者
グループホーム 介護職

▼背景や生活状況、病状など
自分の事は自分ででき、スタッフの手伝いもしてくれる。穏やかに日々過ごしているが、帰宅願望や被害妄想が出ることがある。

▼症状・BPSDに対して行った支援
「もう帰ります」と言うような発言には「そういえば桜がキレイでした。お花見にはよく行かれました?」などと、あえて全く違う話題に話を持っていくことで、気分の転換を図った。

▼結果(その後のご本人、介護者の状態)
話しかけによる気分転換により、暗い表情が笑顔になった。
▼事例提供者
デイサービス 介護職

▼背景や生活状況、病状など
お孫さん夫婦が主介護者となり、一緒に生活をしている。

▼症状・BPSDに対して行った支援
隣に座って、まず何時に帰るのかを伝えた後に、本人の訴えを聴きながら話を広げて昔話などをした。

▼結果(その後のご本人、介護者の状態)
話をすることで安心し、帰る頃には「ありがとうね」という言葉が聞かれた。

サービスを活用して対応したケース

▼事例提供者
居宅介護支援事業所 ケアマネジャー

▼背景や生活状況、病状など
妻と2人暮らし。10年前から物忘れの症状が出現し、トイレに行ったことも忘れてしまう。日課の散歩はかかさず行っているが、妻は迷ってしまわないか心配している。

▼症状・BPSDに対して行った支援
デイサービスと短時間デイサービス、ショートステイの利用を行い、夫婦それぞれの時間を作った。

▼結果(その後のご本人、介護者の状態)
本人は、デイサービスでは楽しく過ごしている。 妻は、病院へ行ったり、趣味活動を行い、自身の時間を持てるようになった。
▼事例提供者
デイサービス 介護職

▼背景や生活状況、病状など
高齢者世帯。片麻痺、意欲低下がある。

▼症状・BPSDに対して行った支援
ケアマネジャーとの情報交換と家庭状況の聞き取りを行った。整容や排泄ケアに関しては、デイサービスで声掛けをして促していった。

▼結果(その後のご本人、介護者の状態)
整容への意識向上が見られ、介護者の負担軽減につながった。
▼事例提供者
訪問看護ステーション 理学療法士

▼背景や生活状況、病状など
妻と息子さんと3人暮らし。入退院を繰り返す中で日常生活動作の低下がみられ、現在、日常生活動作はほぼ全介助の状態である。

▼症状・BPSDに対して行った支援
ケア中に家族も交えて会話したり、本人の反応を見ながらケアを行った。 運動については、本人に聞きながら、無理のない範囲で実施をした。

▼結果(その後のご本人、介護者の状態)
話の内容によっては、本人の笑顔がみられた。 ベッド上での自発的な運動はないが、リハビリ時に出来る、出来ないなど簡単な返事をしてくれるようになった。
▼事例提供者
訪問看護ステーション 作業療法士

▼背景や生活状況、病状など
主介護者は娘さん。週3回デイサービス利用をしている。自発性はほぼなく、促しにより発語があったが、減少傾向である。手引き歩行はできるが、介護量が増大してきている。

▼症状・BPSDに対して行った支援
屋外歩行を行うなど、活動を積極的に促した。

▼結果(その後のご本人、介護者の状態)
屋外歩行などの刺激を受けた後は、起きている時間が多くなった。

事例一覧

認知症に関するとりくみ