▼事例提供者
訪問看護ステーション
看護師
▼背景や生活状況、病状など
独居。苦労しながら勉強したことや定年まで勤務したことにプライドを持っている。妹は遠方在住。キーパーソンは都内に住んでいる弟の嫁、本人には自分が認知症であるという自覚はない。
▼症状・BPSDに対して行った支援
同じ時間・曜日に同じ看護師が訪問するようにした。訪問時は部屋の中の物を触る等、本人の嫌なことや不快なことはせず、ゆっくり一緒に過ごし嫌悪感をもたれないようにした。慣れてからも可能な限り規則的なスケジュールで関わった。
▼結果(その後のご本人、介護者の状態)
定期的に訪問する看護師とヘルパーの介入はスムーズになった。毎週「来てくれる人」と認識され、楽しみに待っていてくれるようになっている。予定変更などもカレンダーに記入し、混乱が減った。介護サービスが入ることで他人が自宅に入る事への抵抗が少し緩和された。
▼事例提供者
訪問看護ステーション
看護師
▼背景や生活状況、病状など
夫と娘との3人家族。病院に通院していたが、薬や受診の拒否などがあり、訪問診療と訪問看護を導入した。
▼症状・BPSDに対して行った支援
顔を覚えてもらうよう、意識的に話しかけ、毎回、名前と毎週来ている事を伝えた。拒否がみられる時は必要最低限のケアをした。安心してケアを受けられるように、娘へ同席を依頼した。
▼結果(その後のご本人、介護者の状態)
バイタルサインの測定ができるようになった。症状が悪化してベッド上生活となるが、娘の協力により清潔・排泄・皮膚ケアは自宅で実施出来た。
▼事例提供者
小規模多機能型居宅介護
ケアマネジャー
▼背景や生活状況、病状など
杖歩行が可能であったが、徐々に日常生活動作が低下し、現在は車椅子への移乗は全介助となっている。以前より表情は乏しく発語も少なくなっている。
▼症状・BPSDに対して行った支援
介助に入る前には分かりやすく声掛けをして、なじみの関係が築けるように心がけた。
▼結果(その後のご本人、介護者の状態)
なじみのスタッフには拒否することがなくなった。
▼事例提供者
訪問看護ステーション
看護師
▼背景や生活状況、病状など
夫と2人暮らし。ヘルパー利用。息子が区内在住(キーパーソンは息子)
▼症状・BPSDに対して行った支援
何度も本人に「具合を看にきた看護師です」と説明し、拒否があれば無理せず退室した。また、時間をあけて同じ説明をし入室を試みた。
▼結果(その後のご本人、介護者の状態)
何度も繰り返すうちに入室できる機会が増え、その都度本人の状況に応じてケアを実施できた。
▼事例提供者
地域包括支援センター
包括職員
▼背景や生活状況、病状など
独居。他者の協力は拒否し、家の中には人を入れようとしない。
▼症状・BPSDに対して行った支援
家族から介護サービスや医療の必要性を何度も説明してもらった。地域包括職員が、ケアが必要なタイミングでヘルパー支援を説明した。
▼結果(その後のご本人、介護者の状態)
家族以外の人を受け入れ、支援を受けるようになった。その後ケアマネジャーも決まり、介護サービスや医療との連携も可能になった。
▼事例提供者
訪問看護ステーション
看護師
▼背景や生活状況、病状など
独居。週1~2回遠方に住む嫁が様子を観に来る。服薬管理や状態観察のため訪問看護が必要な状態。日常生活動作はほぼ自立。
▼症状・BPSDに対して行った支援
決まった看護師が訪問するようにした。訪問時は、家にあがらず庭で話をしたり、時間をおいて再訪問するなど工夫した。
▼結果(その後のご本人、介護者の状態)
自宅に入れるようになり拒否はなくなった。帰る時には「また寄ってね」と笑顔で送り出してくれるようになった。
▼事例提供者
居宅介護支援事業所
ケアマネジャー
▼背景や生活状況、病状など
夫との2人暮らし。重度の皮膚病、アルツハイマー型認知症がある。近隣に息子夫婦が住んでいる。息子は、介護に協力しようとする意思がある。
▼症状・BPSDに対して行った支援
重度の皮膚病の処置に訪問看護が必要なことを根気よく説明した。ケアマネジャーと訪問看護師とで同席をし、理解をしてもらえるようにした。
▼結果(その後のご本人、介護者の状態)
現在、訪問看護が週2回、福祉用具としてベッドの導入が出来た。本人からは、今のところ拒否はなくなった。
▼事例提供者
居宅介護支援事業所
ケアマネジャー
▼背景や生活状況、病状など
妻に先立たれ独居。散歩中に脳梗塞を発症したため入院となり、介護申請をした。退院後、高血圧であることに対して、「自分の身体は自分でわかる」と受診せず服薬をしない。
▼症状・BPSDに対して行った支援
本人に自覚症状があった皮膚科受診は拒否がないため、ヘルパーに付き添ってもらい受診できた。その際に、他科の受診ができ、服薬治療が開始された。病院という言葉を使われないように関わった。
▼結果(その後のご本人、介護者の状態)
病院という言葉への反応は変りなかったが訪問診療に切り替え、訪問薬剤も導入し、定期的に服薬ができるようになった。
▼事例提供者
訪問介護事業所
介護職
▼背景や生活状況、病状など
独居の女性。自宅で転倒し骨折したため入院治療を受け、介護老人保健施設でリハビリ後、自宅での生活となった。
▼症状・BPSDに対して行った支援
介護サービスを受け入れる事が難しいため、まずは本人が必要としている買い物代行のサービスから開始した(ヘルパーが週2回)。同じ曜日と時間に訪問し、はじめは事前に手紙をポストに入れたり電話を入れるなどして、ヘルパーが定期的に来ることを覚えてもらうようにした。
▼結果(その後のご本人、介護者の状態)
徐々に訪問介護が介入していくことに慣れてきた様子で、ヘルパーが入る曜日は自ら家の鍵を開けてくれるようになった。
▼事例提供者
訪問看護ステーション
看護師
▼背景や生活状況、病状など
要介護の夫と2人暮らし。息子と孫が時々来る。両下肢のしびれがあり、ヘルパーがケア(3回/日)を行っている。物忘れがあり、怒りっぽく拒否もある。
▼症状・BPSDに対して行った支援
訪問時、「お邪魔しまーす」と大きい声で言いながら入室。夫と本人1人ずつに名前を呼んで挨拶する。本人から「誰?」と言われたら顔を見せて名乗るようにした。先生からの指示というと本人の拒否が減るため、「先生に来るように言われて訪問しています」と訪問目的を説明した。イライラしている時は、時間をおいて話しかけたり、本人が好きな話(昔の事など)を話しながらタイミングを図った。シャワーへは「〇〇さん、背中か痒くないですか?先生が背中の傷に薬出してくれてるから見せてくれませんか?」「少し古い薬を洗って、新しく塗りましょう」「〇〇さんは毎日お風呂に入ってるので簡単にしか洗いませんよ。」など声をかけながら浴室へ誘導した。
▼結果(その後のご本人、介護者の状態)
イライラした様子の時も、本人の好きな話をしていると徐々に穏やかに話をするようになる。シャワーも同様な対応をすることで、入れることが多くなった。
▼事例提供者
訪問看護ステーション
看護師
▼背景や生活状況、病状など
2年前、骨折で入院中に2回は入浴出来たが、それ以降は入浴できていない。退院を機に訪問看護が入っている。(2回/月 30分か1時間)
骨折による痛みがあったが徐々に軽快し、ベッドからトイレ、トイレからイスに自力で移乗出来るようになってきている。
▼症状・BPSDに対して行った支援
大きな声を出している時は、妻に状態の聞き取りをしてすぐに退室した。比較的会話できる時は、テレビや趣味の山登り、好きな日本酒の話をしながら関係性を築いていった。3回目に足浴を促した時は、「医師から血圧の研究を頼まれているので足を湯につけるのに協力して下さい」という説明をした。
▼結果(その後のご本人、介護者の状態)
1年に3回足浴を行うことができた。足浴できた時は、爪切りも出来、「随分、伸ばしていたんだな」と落ち着いた言葉が聞かれた。
▼事例提供者
訪問看護ステーション
看護師
▼背景や生活状況、病状など
独居。隣の家に娘夫婦が住んでいるが、仕事をしているため介護が出来ず、家政婦を24時間利用している。歩行は自立しており日常生活動作も自分の意思で出来ているが、周囲の声掛けや指示に対して拒否がある。デイサービスを利用し入浴を行う予定だったが、拒否がある。3分前のことは忘れてしまう。
▼症状・BPSDに対して行った支援
お風呂、シャワーなど入浴に関する言葉は使わないで、「立って下さい」「歩いてください」「掴んでください」と、今行うことだけを伝え、お風呂の話はせず、別の話をしならがら誘導した。
▼結果(その後のご本人、介護者の状態)
入浴でき、自然に「気持ち良かった」と声がきかれた。改めて感想を聞くと「たいしたことないね」と話す。入浴は自分でできていると思っているため、介助されたことも忘れている。次回以降も同様の対応で入浴が出来ている。
▼事例提供者
デイサービス
看護師
▼背景や生活状況、病状など
夫婦と娘の3人暮らし。「肩が痛い」「腰が痛い」「足がむくんでいるから」などを理由にデイサービスを休むことが多い。休むということを電話したことも忘れてしまう。
▼症状・BPSDに対して行った支援
「足のむくみを看護師がみさせてもらうので」と何度も話し、来所後は本人が慣れているスタッフがうまく浴室へ誘導した。なじみのスタッフ中心に対応した。
▼結果(その後のご本人、介護者の状態)
入浴出来るようになった。入浴中は「入っちゃえば気持ちいいのよね」と話した。
▼事例提供者
訪問看護ステーション
看護師
▼背景や生活状況、病状など
本人、介護が必要な夫、娘の3人暮らし。娘は就労しており日中不在。10数年前から夫の自宅介護を担っていたが、認知症の症状が出始めた。
▼症状・BPSDに対して行った支援
「風呂場の湯を出したい。教えてください」と風呂場に誘導して、シャワーチェアに座ってもらい、「濡れちゃうから」と説明してから脱衣を促して、シャワーをしてもらった。
▼結果(その後のご本人、介護者の状態)
毎回同じように誘導し、入浴することができるようになった。
▼事例提供者
訪問看護ステーション
看護師
▼背景や生活状況、病状など
家族の介助のもと自宅で療養中である。不定期に幻覚、妄想症状が出現する。一度症状が出現すると、24~36時間持続し食事もほとんど食べなくなってしまう。訪問看護を週2回利用し、便秘時には浣腸にて排便コントロールしている。
▼症状・BPSDに対して行った支援
本人の話を否定せず、話を傾聴し、意思は尊重しながらもケアの必要性を伝えた。また、時間をおいて声掛けしたり、同居の家族にも声掛けしてもらいながら、ケアの介入を試みた。
▼結果(その後のご本人、介護者の状態)
時折、浣腸時に幻覚症状を訴えるが拒否はなくなった。
▼事例提供者
訪問看護ステーション
作業療法士
▼背景や生活状況、病状など
家族と同居している。コンビニエンスストアなどの買い物以外は自宅にこもりがち。「警察に捕まる」との思いから、漠然と死を願う気持ちが聞かれる。家族の介護介入はない。
▼症状・BPSDに対して行った支援
本人となじみになるために、最初は短時間でもスタッフが繰り返し訪問を行った。そして、本人の望んでいるケアだけ行った。
▼結果(その後のご本人、介護者の状態)
なじみのスタッフの訪問を受け入れ、ケアを受けてくれるようになった。
▼事例提供者
訪問看護ステーション
看護師
▼背景や生活状況、病状など
要支援の妻と2人暮らし。脳梗塞の既往があるため、1人での外出はできず、室内は伝い歩きである。日中は椅子に座ったままで、妻に全て用事を頼んでおり、自分では動かない。妻も体調不良ですぐに行動はできない。
▼症状・BPSDに対して行った支援
本人の嫌がることはなるべくしないよう支援しながら、まずは信頼関係作りをし、訪問自体を拒否されないようにした。リハビリは、座ったままできることを中心に行い、できた時には認めるようにしたり、毎回同じことをして定着できるようにした。浣腸ではなく服薬にて排便コントロールをした。
▼結果(その後のご本人、介護者の状態)
本人、妻にも訪問を拒否されることはなく、祝日の振り替えも必ず行い、週1回の訪問を定着することができた。信頼関係を築くことで、ケアの途中で怒ることはあるが、拒否はなくなった。
▼事例提供者
居宅介護支援事業所
ケアマネジャー
▼背景や生活状況、病状など
妻がつきっきりで介護している。下肢筋力が低下してきている。
▼症状・BPSDに対して行った支援
デイサービスなどの集団のサービスは拒否がある。そのため1対1で対応できる訪問リハビリなどで対応した。
▼結果(その後のご本人、介護者の状態)
理学療法士とのやりとりに慣れ、リハビリが出来ている。妻もリハビリ中に、自分の時間を過ごせるようになった。
▼事例提供者
訪問看護ステーション
看護師
▼背景や生活状況、病状など
施設入居中の方。もともと相手から何か言われる事に対して拒否や拒絶をする傾向がある。話しかけると、「うるさいわよ」「怒られた」「もうおしまい」と言う言葉が聞かれる。
▼症状・BPSDに対して行った支援
例えばトイレ誘導の際に、「トイレに行きましょう」「立ちましょう」など声をかけると拒否があるため、あえて何も言わずに手を差し伸べるようにした。服薬拒否に対しても、開封して口元や目の届く所に用意をした。
▼結果(その後のご本人、介護者の状態)
介助者が手を差し伸べると、本人が「待ってました」という様子で介助者の手を掴んで立ってくれるため、そのまま誘導してトイレまで歩行することができた。服薬に対しては、自ら服用することができた。
▼事例提供者
デイサービス
介護職
▼背景や生活状況、病状など
息子家族と同居。日中は1人で過ごしている。穏やかであるが頑固なところもあり、プライドが高い方。髪は、カツラを使用していることを気にしている。話は理解できる時とできない時がある。
▼症状・BPSDに対して行った支援
特定の職員が1人で対応する事にした。コミュニケーションを多くとり、信頼関係が取れる様に対応した。
▼結果(その後のご本人、介護者の状態)
徐々に信頼関係が築け、何回か行っていくうちに洗顔が出来るようになった。段階的に、洗髪やカツラを被らないで他利用者との入浴ができるようになった。本人は明るくなり、他利用者との交流も増え、どの職員が対応しても大丈夫となった。
▼事例提供者
訪問看護ステーション
看護師
▼背景や生活状況、病状など
娘と二人暮らし。寝たきり状態であり、日中は一人で過ごしている。
▼症状・BPSDに対して行った支援
声掛けや今から行うことを具体的に説明してから実施した。
▼結果(その後のご本人、介護者の状態)
声かけにより手浴などケアに対して拒否をしなくなった。
▼事例提供者
訪問看護ステーション
看護師
▼背景や生活状況、病状など
夫と2人暮らし。日中独居。介護全般に拒否があり、特に入浴は半年以上入っていない。
▼症状・BPSDに対して行った支援
毎回同じ看護師が訪問し、毎回同じ手順で入浴介助をした。浴槽に入ると落ち着き、拒否が減るため、少なめにお湯をはり、はじめから浴槽に入ってもらって身体を洗ったり洗髪をした。また、本人が好きな歌のCDをかけて歌いながら脱衣すると気が紛れ、抵抗が少し減った。
▼結果(その後のご本人、介護者の状態)
入浴に対する拒否は少なくなった。自ら進んで入ることはないが、同じ手順、同じ介助者、同じ声掛けをするようにしたことで、安全に入浴ができると理解した様子。皮膚の状態が改善した。
▼事例提供者
訪問看護ステーション
看護師
▼背景や生活状況、病状など
本人と妻・息子の3人暮らし(日中は夫婦のみ)。夫婦とも認知症があり、訪問介護を利用している。
▼症状・BPSDに対して行った支援
「お風呂に行きましょう」と誘うと拒否がある為、まずはトイレに誘導し洗面所で手を洗う際に、「ズボンが汚れているので着替えましょう」と言いながら、本人の拒否がある前に衣服を脱ぐのを手伝った。「ついでに洗いましょう」と、事前に入浴できるように準備をした浴室にすぐに誘導した。「~しましょうか?」と問うと本人が拒否する為、疑問形は使わないよう気をつけた。
▼結果(その後のご本人、介護者の状態)
スムーズに入浴し、「気持ちいい」と喜んでいた。
▼事例提供者
訪問看護ステーション
看護師
▼背景や生活状況、病状など
独居であるが、本人の世話は元妻が行っている。脳梗塞後、認知症が発症し、ケアへの拒否がある。
▼症状・BPSDに対して行った支援
介助者が1名では入浴してもらえなかったため、2名の介助者で対応した。1名は話しかけを続け、気を紛らわせるように関わった。その間に、もう1名が入浴の介助を行った。
▼結果(その後のご本人、介護者の状態)
介助者を2名体制としたことで、入浴できるようになった。
▼事例提供者
訪問看護ステーション
看護師
▼背景や生活状況、病状など
妻と2人暮らし。娘が近隣にいるが、ほぼ妻が介護している。漠然とした不安があり、救急車を頻回に呼んだり、往診の拒否があるため、訪問看護が導入された。
▼症状・BPSDに対して行った支援
デイサービスは、半日利用を選び、入浴できるように調整をした。
自宅での入浴は、本人が入りたい時に入れるように調整をした。
▼結果(その後のご本人、介護者の状態)
半日のデイサービスで入浴ができている。また、自宅で訪問看護師の介助でも入浴ができるようになった。訪問看護の導入により生活状況の把握や医師やケアマネジャーと連携がとれ、妻の介護負担が減った。
▼事例提供者
訪問看護ステーション
看護師
▼背景や生活状況、病状など
独居。デイサービスの利用は拒否がある。
▼症状・BPSDに対して行った支援
世間話をして気持ちをほぐしてから「足浴をしましょう」と声掛けをして、浴室で脱いでもらいながら入浴の誘導をした。
▼結果(その後のご本人、介護者の状態)
入浴時は気持ちよいと話し、毎回入浴は出来ている。
▼事例提供者
訪問看護ステーション
看護師
▼背景や生活状況、病状など
夫と2人暮らし。日常生活動作は車椅子で移動し、立位保持は何かにつかまれば短時間が可能である。日常生活全般に介助が必要である。時々、興奮し、夫や介助者に対して暴言がある。訪問看護を週2回利用し、シャワー浴介助を受けている。
▼症状・BPSDに対して行った支援
「背中にかゆみやひっかき傷があり、その状態を見せてほしい」「先生から薬を塗ってほしいと言われている」と伝え、衣服を脱いでもらうようにした。その後、「シャワーで流してから薬を塗りましょう」と声をかけて、シャワー浴を行った。
▼結果(その後のご本人、介護者の状態)
毎回同じような声掛けや手順だと拒否なくシャワー浴ができることが多くなった。
▼事例提供者
特別養護老人ホーム
介護職
▼背景や生活状況、病状など
特別養護老人ホーム入所中。食事・排泄・入浴は全て全介助。日中はほとんど車椅子に座り、ラウンジで過ごしている。夜間、自分の便を触っていることが時折ある。
▼症状・BPSDに対して行った支援
声を荒げた時でも穏やかに声掛けをし、その際に風呂とは言わずに浴室に誘い促すと、施設の大浴場を銭湯と思いこんだ様子だったため「せっかくだから〇〇さん、さっぱりしていってください」と促した。
▼結果(その後のご本人、介護者の状態)
本人の世界に合わせることで、湯舟に浸かる頃には落ち着いた。大きな声を出したり、介助者に手を出す行動はなくなった。
▼事例提供者
介護老人保健施設
介護職
▼背景や生活状況、病状など
四点歩行器を使用して歩行が可能である。デイサービス(週3日)を利用している。
▼症状・BPSDに対して行った支援
入浴とは違う話題で声掛けをして、脱衣所に誘導した。いきなり体は洗わず、湯船に使ってもらい、体を洗う時には声をかけて、痒い所を手伝いながら行った。
▼結果(その後のご本人、介護者の状態)
誘導にて脱衣し入浴することができた。もともとお風呂は好きらしく、全身温まると「気持ちいい」と笑顔になり、と嬉しそうな様子が見られた。
▼事例提供者
訪問看護ステーション
看護師
▼背景や生活状況、病状など
夫と孫と3人暮らし。敷地内に娘家族が住んでいる。認知症に対し内服治療を開始されたが食欲低下や日常生活動作の低下があったため、家族の希望にて内服を中止している。
▼症状・BPSDに対して行った支援
お風呂とは言わず、「歩く訓練」と言ってお風呂場まで一緒に行き、「お手伝いします」と声をかけた。お風呂に入って「気持ちがいい」と話したため、「気持ち良くていいですね」と共感した。
▼結果(その後のご本人、介護者の状態)
お風呂に入る前までは拒否的な発言があったが、入ってからは満足した様子で笑顔もみられた。
▼事例提供者
デイサービス
介護職
▼背景や生活状況、病状など
娘家族と同居。レビー小体型認知症と診断され、デイサービスを利用開始した。編物が得意だった。
▼症状・BPSDに対して行った支援
まずは、顔なじみのスタッフが1対1で対応し、「トイレ」という言葉を使わないで世間話や手編みのセーターの話をしながら誘導した。入浴は、カーテンで仕切って個別で対応した。また、目線を合わせて、ゆっくりと声掛けをしながら、衣服を脱いでもらった。
▼結果(その後のご本人、介護者の状態)
その時々で拒否する言葉は変わるが、常に受け入れ、穏やかな気持ちで対応すると拒否がなかった。